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ブルーカーボン ① 『温暖化を止める3箇条』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

更新日:7月20日

 



二酸化炭素を吸収する役割が期待されるコアマモ=伊豆市土肥沖

 温暖化のせいで、猛暑日や集中豪雨などの極端な現象が増えています。どうしたらよいのでしょうか? 温暖化を止めるために必要なことは3つあります。


 1つ目は、これからは二酸化炭素(以下CO2)を出さない暮らしや企業にすることです。そうすれば、大気中のCO2はこれ以上増えなくなります。でも、それだけでは十分ではありません。なぜなら、いったん大気中に出たCO2には寿命がないのです! 何かに吸収されるまで、大気中のCO2はずっと大気中にとどまり、温暖化を引き起こし続けてしまいます。


 そこで、2つ目に必要なことは、大気中のCO2を「回収」することです。どうやって? 植物はCO2を吸収してO2(酸素)を出していますよね? つまり植物はCO2の回収装置でもあるのです! よく知られているのは植林ですね。陸上の植物が回収するCOを「グリーンカーボン」と言います。


 そして、海にも植物がありますよね。海の植物による「ブルーカーボン」への熱い注目が集まっています。海中の植物(海草や昆布、ワカメ、マングローブなど)が育つときに海中のCO2を吸収します。すると、海中のCO2濃度が下がるので、大気中のCO2が海に移動し、大気中のCO2が減る、というわけです。海に面している静岡県では、いろいろな地域でブルーカーボンの取り組みが行われているので、このあと紹介していきましょう。


 さて、温暖化を止めるために必要な3つ目は、こうして陸や海の植物が回収してくれたCO2がふたたび大気中に戻らないよう「固定化」すること。どうやって? こちらもやり方と取り組みを紹介していきますから、お楽しみに。


 温暖化を止めるために、皆さんはどんな取り組みができそうですか?




 2020年に移住した熱海市で環境教育に取り組む環境ジャーナリストの枝廣淳子さんが、持続可能な社会をつくるために必要な力や知識を解説します。



 


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