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温暖化 ①『地球が沸騰した夏を経て』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

 




 皆さん、楽しい夏を過ごしましたか? 毎日毎日暑い!夏でした(まだ続いていますが)。「今年最高の気温」「連続何日真夏日」「熱中症警戒アラート」をといった言葉を何回も聞きました。静岡県でも7月4日に静岡市で39.3度という、観測史上最高の気温を観測しました。

また、毎週のように台風が発生して、大雨をもたらしています。気温上昇や雨の降り方が変わってきたことなどは、地球温暖化の影響だと考えています。


 温暖化は地球の温度(人間でいう体温)がだんだん上がってきていることですが、温暖化が進むといろいろな問題が出ます(すでに出てきています)。たとえば台風やハリケーン、嵐が増えます。地上の水は、雨になり、川を流れて海へ移動し、蒸発して空へ、そしてまた雨になる、というふうに循環しています。気温が上がると、海などから蒸発する水の量が増え、それだけたくさんの雨が降るようになります。最近は熱帯のスコールのように短時間に大雨が振ることも増えていますよね。


 今のまま温暖化が進むと、2100年には地球の温度は3.3~5.7度近くも上昇すると言われています。そして怖いことは毎年少しずつ上がるということです。いきなり5.7度も上がれば気づくかもしれませんが、毎年ちょっとずつ暑くなっていくと、「ちょっと暑いかな」と慣れてしまって、知らないうちに高温になってしまっている可能性があるのです。


 「ゆでガエル」って、聞いたことありますか? 突然熱いお湯の中に入れられたカエルは「あちっ!」と飛び出しますが、水の入ったお鍋に入れておいて、弱火で温めて少しずつ水温を上げていくと、カエルは気づかずにゆであがってしまう、というたとえです。カエルも人間も急激な変化には反応しますが、少しずつの変化には「危ない!」という信号が出ないんですね。


 ただ、カエルと違って、人間には想像力があります。「このままいくとどうなるのか?」 想像することで問題を防ぐことができるはずです。温暖化が進むとどうなるのか、次回以降考えていきます。




 2020年に移住した熱海市で環境教育に取り組む環境ジャーナリストの枝廣淳子さんが、持続可能な社会をつくるために必要な力や知識を解説します。



 


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